NISSEIKAN
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令和6年10月19日(土)13時30分~14時15分
金沢医科大学3号棟1階 第1講義室にて、令和6年度石川県支部看護学術集会を開催しました。1演題の発表があり、38名の参加がありました。
座長:七尾松原病院 黒川 恵梨さん
演題:症状に波のある保護室入室患者の開放観察に踏み切れない要因
-病棟看護師へのインタビューを実施して-
医療法人松原会 七尾松原病院 亀井 優さん
講評:金沢大学 医薬保健研究域保健学系 助教 長田 恭子 先生
会に先立ち、支部長より、研究発表を他施設へ届けることの意味とは、大変な中でも患者の変化やもやもやしたことを話し合い、研究という手法で検証する事で、見えなかったものが見えてくる体験が得られたり、視野が広がる機会にもなること。また、その発表を通して看護の質を高め、得られた結果を発表し共有することで、必ず患者やその家族、看護職にまで波及する貴重な学びが得られる事であると挨拶がありました。
発表では、保護室入室患者の開放観察に踏み切れない要因のインタビュー結果より、26のサブカテゴリーが抽出され、5つのカテゴリーが示されました。中でも、看護師の情報不足や意見の固定化、時間の制約等による開放観察の検討不足や、マンパワー不足により十分に開放観察を行える状況を整えることができなかったなど、開放観察が行えるかの判断に苦慮している現状を述べられていました。会場からは、スタッフの意識や開放観察の時間が延びたなどの変化はあったのか、患者の状態を評価するツールに関して、リスク回避のためのものだけでなく、行動制限解除に向けた行動の変化はどうか等、活発な質疑応答や意見交換が行われました。発表者より、専門性の高い看護師の育成や実践力強化の展望が述べられ、参加者も研究発表を通して現状を共有して得た学びは、看護実践につなげる一助となるものと考えます。
最後に、お忙しい中で講評を頂きました長田先生に感謝申し上げます。演者の亀井さんを初め共同研究者の方々におかれましては、限られた時間の中で研究に取り組まれ、精神看護の質向上に繋がる大変貴重な発表されたことに敬意を表したいと思います。得られた講評を通し、より良い研究として完成されることを願います。
今後も石川県支部は研究のサポートを行い、県内の看護研究の発展に努力して参ります。