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2025.05.31 石川県

令和7年度 支部研修1)『初任者研修』接遇と患者・家族との関わり方

金沢医科大学看護学部 3号棟1階 第1講義室とZoomオンラインのハイブリッド対応で、講師の、石川県立中央病院 精神科認定看護師 森田 香苗 先生に講義をしていただきました。
参加者は33名(会員26名、非会員7名)でした。

 講義の中で、森田先生は、最初に精神科看護の定義について説明をされ、精神科の看護師が看護ケアを行う上で、基本となる考え方について再確認する事が出来ました。特にコミュニケーションや接遇の技術について、新人の看護師は、精神症状により言動にまとまりがない患者さんの対応で、混乱する事が多いと考えられます。そこで、『精神症状で意味のない言動をしている』と患者さんから発せられた情報を安易にとらえず、治療に有効な情報を聞き取るコミュニケーション技術を知る事は重要と感じました。
また、自分のように、ある程度経験のある看護師は、入院が長期化している患者さんの言動に対して、『いつもの事』として、患者さん発する情報を軽く考えていたのではと、気付かされました。

 その後の講義では、代表的な精神疾患の知識として、統合失調症、気分障害、双極性障害について、主な症状や治療薬によって生じる副作用、回復までの経過についての話されました。看護師が、患者さんに関わる時に重要となる知識として、疾患が患者さんと家族にもたらす苦痛、声掛けを行う時の注意点や観察のポイントについて、要点を絞り分かりやす纏められた内容でした。精神疾患の概要を知る事で、患者さんが疾患を克服、または受け入れて社会に復帰する困難の一部を理解し、それを支援する精神科看護の意義について認識が深めれたと感じました。

 森田先生が過去に経験されたエピソードや事例を交えた話もあり、講義で話された内容の根拠が、実例として示される事がありました。事例の一つとして、双極性障害の患者さんが躁状態時の対応のコツがありました。その話を聞いた時に、以前にそれと知らずに、コツを踏まえた対応をした事があり、後日、躁状態が落ち着いた患者さんに、感謝の言葉をかけて貰えた事を思い出す事ができました。適切な対応が患者さんの助けになると、改めて再確認する機会となりました。

 本日の講義を通じて、ベテラン看護師は自身の看護倫理や看護スキルの振り返りとなり、新人看護師は精神科看護に携わっていく上で、大切な知識を学べる機会となったと感じました。森田先生、本日は大変興味深い講義をしていただきありがとうございました。

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